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45.根をはやす

 体が立っているときに、足に根が生えて地中深く入っていると思うと体が倒れることは無いと先生に言われました。霊根(れいこん)といって、実態はなくとも、あるように思える根を持つようにすることが大切であるということでした。

 

 「固霊根而動心者武也、養霊根而静心者修道也。」と言う言葉も習いました。

「根っこをしっかり固めておいて中心を自由に動かすのは武芸である。根っこを養って中心を静かにするものは修道である。」と言う意味だそうです。

 

 自分の足から根が生えるように感じられるようにすることが、太極拳の練習であると言われました。そして、これは日常の生活の中で行えることなので、普通に歩いているときに太極拳の練習をしていると意識することだと言われました。

 

 そして、そのやり方を教わりました。

まず、片足に乗る。乗っている足には体重がかかっているので、それを支えようと力が入ります。その力を抜くことです。普通に片足に乗った時にこの動作をするのは難しいので、次のような方法で練習することを勧められました。

①両足を肩幅に開いて立ちます。

②右足に乗って、左足をあげます。

③軽くジャンプして、左足で着地します。

この時の左足は、体重を支えてはいますが、突っ張ってはいません。膝を曲げ緩んだ状態で体重をささえています。これを繰り返し練習し、ジャンプの方向を前後にしたり、斜めにしたりします。そして、最終的にはジャンプをしなくても、ゆっくりと足を運んで、軸足を緩んだ状態に体重を支えることができるようになるのです。

 

そして、注意すべきこととして、「バランスを取ろうとしないこと」と教えられました。バランスを取ることと根を生やすことは違うのです。バランスは地上のことで、根を生やすのは地下(意識的な)のことなのです。