天野先生は、今日は、徐先生が1993年に発表された論文の内容について、30分ほど解説をされました。主な内容は以下のとおりです。
・それまで、太極拳を真面目に練習した生徒は3年する
と、ほとんどの生徒が膝を悪くしていた。
・徐先生は、その原因を見つけようとして、中国国内の
生徒や愛好家だけでなく、日本の愛好家にもアンケー
ト調査や、写真、レントゲン写真を撮って研究した。
・その結果として、体重をかける軸足の膝が、つま先の
方向よりも内側に入っていることが原因であることを
突き止めた。
徐先生(天野先生にも引き継がれている)は、それを無くすために3つの重要な動きを教えてこられた。
①円襠開胯(ユエン・ダン・カイ・クワ)
股を開いて丸くすること
②実腿転動(シィ・トイ・ザン・ドン)
実の足(重心のかかっている足)を動かして回転する
こと
③蹬地転腰(ドン・ディ・ザン・ヤオ)
地面を蹴って腰を回転させること
これらの動きを左足前の野馬分鬃(イェ・マー・フェン・ゾン)から左足の片足に乗るまでの動きの中で説明すると、次のようになります。
ア)左足が前の野馬分鬃の状態では、体重は左足に7
分、右足に3分乗っています。
イ)身体を緩めて体重を両足半々から右足5分まで移動さ
せます。このとき、胯は上記①の円襠開胯の状態を保
ちます。右足に5分の体重が乗った時には、右足の膝
は右足のつま先と同じ方向を向いており、膝のおさら
が左右に移動することはありません。
ウ)重心のかかった右足の踵に力を入れて蹴りだしま
す。そして右足の裏の親指の付け根あたり(足球)
を軸にして、踵を外に出すように回転させます。
エ)続けて、右足で地面を蹴って体重を左足9分、右足
1分になるくらいに掛け、右足で地面を蹴る力を利
用して腰を左に回転させます。これが上記の②と③
に相当します。(②と③は同時におこないます。)
この時、腰の回転に同調して、左足は踵を軸にしてつ
ま先が左45°に回転します。
オ)右足を蹴りだして体重を左足にかけ、左足で立ちま
す。
なかなか難しい動作ですが、これを身につけることが健康につながると思い、継続して練習を続けようと思いました。