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47.蹬地転腰

 天野先生は、今日は、徐先生が1993年に発表された論文の内容について、30分ほど解説をされました。主な内容は以下のとおりです。

  ・それまで、太極拳を真面目に練習した生徒は3年する

   と、ほとんどの生徒が膝を悪くしていた。

  ・徐先生は、その原因を見つけようとして、中国国内の

   生徒や愛好家だけでなく、日本の愛好家にもアンケー

   ト調査や、写真、レントゲン写真を撮って研究した。

  ・その結果として、体重をかける軸足の膝が、つま先の

   方向よりも内側に入っていることが原因であることを

   突き止めた。

 

 徐先生(天野先生にも引き継がれている)は、それを無くすために3つの重要な動きを教えてこられた。

  ①円襠開胯(ユエン・ダン・カイ・クワ)

   股を開いて丸くすること

  ②実腿転動(シィ・トイ・ザン・ドン)

   実の足(重心のかかっている足)を動かして回転する

   こと

  ③蹬地転腰(ドン・ディ・ザン・ヤオ)

   地面を蹴って腰を回転させること

 

 これらの動きを左足前の野馬分鬃(イェ・マー・フェン・ゾン)から左足の片足に乗るまでの動きの中で説明すると、次のようになります。

  ア)左足が前の野馬分鬃の状態では、体重は左足に7

    分、右足に3分乗っています。

イ)身体を緩めて体重を両足半々から右足5分まで移動さ

  せます。このとき、胯は上記①の円襠開胯の状態を保

  ちます。右足に5分の体重が乗った時には、右足の膝

  は右足のつま先と同じ方向を向いており、膝のおさら

  が左右に移動することはありません。

  ウ)重心のかかった右足の踵に力を入れて蹴りだしま

    す。そして右足の裏の親指の付け根あたり(足球)

    を軸にして、踵を外に出すように回転させます。

  エ)続けて、右足で地面を蹴って体重を左足9分、右足

    1分になるくらいに掛け、右足で地面を蹴る力を利

    用して腰を左に回転させます。これが上記の②と③

    に相当します。(②と③は同時におこないます。)

この時、腰の回転に同調して、左足は踵を軸にしてつ

ま先が左45°に回転します。

  オ)右足を蹴りだして体重を左足にかけ、左足で立ちま

    す。

 

 

 なかなか難しい動作ですが、これを身につけることが健康につながると思い、継続して練習を続けようと思いました。