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70.鬆功(ソンゴン)

 先生は、「生命在運動」という文字を書き、身体を動かすことが生きる源であると説明されました。例えば、ビンボウユスリも筋肉に負荷を掛けないりっぱな運動であると説明されました。更に、運動する時には、運動によるリスクを少なくするように気を配ることが大切であるとも説明されました。

甩手(シュワイショウ)という運動があります。これは、腕の力を抜いて手を前後にブラブラさせたり、身体を捻じって、身体の周りを、両手を左右に回したりする運動です。簡単で誰にでもできる運動です。これらの運動で身体の中の血液やその他の体液は活発に動くようになり健康を維持することができるのです。

 先生は、太極拳の動きでは、特に片足になる前に体をリラックスさせることが大切であると説明され、「雲手(ユンショウ)」の動きで練習をしました。片足になるというときは、どうしても身体は緊張してしまいます。それは身体が傾いたり倒れたりしないようにと考えるからです。身体は倒れないようにキープされていると信じることができれば、そのような緊張はなくなるはずですから、身体を倒れないように身体の芯をキープする練習を積むことで、その緊張を取り除くように努力する必要があるということでした。

 

そして、先生は「鬆功(ソンゴン)」という言葉を説明されました。鬆功とは、身体をゆるめるための練習をしてその力(能力)をつけることだといわれました。太極拳の中では、片足になる動きは頻繁にでてきます。その度に身体を緩める練習をすることができる訳ですから、そういう意識を持って練習を続ければ、身体を緩めるという能力が少しづつでもついてくると思うので、そうなれば、素晴らしいことだなと思いました。