· 

91.手首で股関節を押さえる

 12原穴のうち、肺に関わる原穴を太淵(タイエン)といい、掌の側の親指に付け根にあります。太極拳の動きの中で、この太淵を下に押さえるのに合わせて膝を曲げ、腰を沈める動きが、最も自然な動きであると教わり、摟膝拗歩(ロー・シ・アオ・ブ)の動作を使って、この感覚を掴む練習をしました。

 

手の動かし方には、次の二通りがあります。一つは手の甲の側から掌の側に押す動かし方です(手は内旋します)。もう一つは掌の側から手の甲の側に押す動かし方です(手は外旋します)。

 

左足前の摟膝拗歩の状態から、体重を少し右足に移し、身体を左に回転させ、この回転につれて右手を左胸の前まで動かしますが、この動き始めの時、右手は手首を折って指を立て、掌を正面に向けています。この状態から折っていた手首を緩めて真っ直ぐにし、更に手の甲の側に膨らむようにしていきます。次に右手が左胸の前に来た時、掌を下に向け太淵を下に押さえていき、その動きにあわせて股関節を沈めていきます。右手は左足の向いている方向の前方に出すようにします。この動作により、体重が左足に移動して楽に左片足で立てるようになります。

 

 太淵は肺に関する原穴ですから、この原穴を意識するときは、呼吸も意識することが大切です。上の動きでは、最初の掌から手の甲を膨らます時は息を吸い、手の甲の側から掌の方へ原穴を押して身体を抑え込む時は息を吐きます。私たちはこの動きの練習を繰り返し行いました。

 

 

太極拳のいろいろな技の中で同様の動きがでてきますので、一つ一つの動きで、太淵をどのように動かすのかを考えると、気の遠くなる思いがしましたが、時間をかけて一つ一つ確認していきたいと思っています。