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93.九曲珠

 先生は下図のような写真を私たちに見せ、これは「九曲珠」というものだと言われた。この珠は入り口から出口まで穴が続いており、中で迷路になって出口につながっている。この穴にひもを通すにはどうすれば良いかと質問されました。誰も分かりませんでした。先生は、蟻に糸を付け一方の穴に入れ、反対の穴の近くにありの好きな蜜を塗っておくと、蟻は糸を引きずりながら出口にでてくる、というお話をされました。この話は、糸を入口に入れ、後ろから押したのでは糸は出口には出てこない、糸の先端を引っ張っていくことが大切なのだということでした。

そして、「行気如九曲珠、無微不到(気を巡らすこと九曲珠の如く、至らないところはどこにもない)」とお話をされました。

私たちの習っている太極拳では同じ動きをしなければならないというのが、九曲珠のお話をされた意味でした。私たちの身体は3×3の部分からできています。最初の3は胴体、上肢、下肢の三つです。後ろの3はそれぞれの部分が3つに分かれているということです。胴体は、頭部、胸部、骨盤で構成されています。上肢は、手、前腕、上腕、下肢は大腿、下腿、足で構成されています。私たちは、動きをするときに、全身に気を巡らしながら、先端から順に動くようにしなければならないという教えでした。

 

私達は、頭を除いて8つの部位を順番に動かす練習を、楼膝拗歩(ロウシーアオブー)の動作を使って繰り返し行いました。この時、手の動きにおいては

 

太淵と合谷のツボを意識し、腰は環跳のツボを意識してうごきました。上肢と胴体の動きは何とかできたのですが、下肢の動きとのバランスがうまくとれませんでした。足が速かったり、遅かったり、とても難しい動きでした。たまにうまくいったなと思う時もあって、その時は気持ちの良さを感じ取りました。これは練習する時に、忘れないようにするしかないと思いました。