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95.足の外側

先生は「生命」という字を白板に書かれ、「生」とは土から生えてきた芽の象形文字であり、「命」とは命令を意味する。すなわち、生命とは生きるものが生きていく為に従うべき命令を意味すると言われました。植物の生命力を意識しなさいと言われ、「ドングリが地面に落ち、やがて芽が出て大木になるまで」の姿を数秒で表しているのが太極拳であると言われました。

 

また、人間の身体は膝から下が柱であり、その上に腰という屋根がある。腰から上は飾り物であり、どのようにでも飾ることが出来る。しかし、この飾りは土台がしっかりしていないと美しく飾ることが出来ない。そして、身体を柔らかく動かすのは関節であるから、関節に水をかけて柔らかく揉んでやることが大切である。膝、股関節は土台を支える大きな関節である。ここを柔らかくすることが建物をしっかりと支える基本となる。建物がしっかりしていれば、その上にある飾りはどのようにでも作ることが出来る。人は年を取るにつれて体が硬くなる。柔靭性と言う言葉がある。これと弾力性を持ち合わせることが、身体のやわらかさとしなやかさを取り戻すことに大切である。今より固くしないように気をつけ、努力しなさいと言われました。

 

 そして片足で立つときに、足の外くるぶしと足の付け根である環跳を意識しこれが上下にまっすぐ一直線上に来るようにすることが大切であり、これができれば、足の外側の筋肉や膝に過度の負担をかけず、足が正しく鍛えられ土台はしっかりとするようになると言うことを教わり、次のような練習をしました。まずは、倒捲肱(ダォ・ジュアン・グァン)の練習により、足の横側に身体を乗せる練習をしました。身体の動きは前後方向であるので、上体が動いている間、腰から下が動き出すことはありませんでした。次に雲手の練習をしました。これは身体の動きが横方向であるので、土台として身体を支えている体重を乗せた足の外側のくるぶしと環跳の位置を維持するのが難しく感じました。どのように動いても止まっていなければいけない部位が動かないようにする練習を続けなければならないと感じました。