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99.尚武崇徳

 6月2日(日)、毎年恒例の無限太極拳協会の交流表演会が開催されます。

そのプログラムが配られました。表紙には、先生、コーチの方々の表演の写真の他に、北京体育大学から先生に贈られた「尚武崇徳」と書かれた巻物の写真も載っていました。先生はこの文字の意味を説明してくれました。「尚」は、上にあがると言う意味で、「崇」は尊ぶと言う意味であると説明され、全体としては、「武を高めて、徳を尊ぶ」という意味だと言われました。ここで「武」は武術のことだけではなくて、人間が生きていくうえで必要になること全てを言い、「徳」は他人に対する気配りを含めた真っ直ぐな心を言うと教わりました。

気配りは他人に対するだけでなく、自分自身に対するものも含まれるので、自分自身のことに当てはめれば「情報を集めることで、危険を察知する」と言う意味にもなると教わりました。

 

 太極拳を通して、真っ直ぐな心を持つようになること、真っ直ぐな心で行動することが出来るようになることで、これほど素晴らしいことは無いと感じるようになりなさいと言われました。そして真っ直ぐな心を持つ第一歩として、体幹の背面に意識を持つようにすることとして「由后到前」と言う言葉を教わりました。これは「まず後ろに注意して、次に前にも気を配る」と言う意味です。これは、「前虚后実」の考えとも一致する考え方です。私たちは、この言葉を意識しながら「起勢」の練習をしました。起勢の動作で両手を挙げていましたが、これは、体重を踵に掛け、更に後ろに体重を移そうとした時、身体が倒れまいとして、自然に両手が上がるものであることを実感しました。両手を挙げるためには力を使いますが、両手が上がるのは、身体の反応で力を使うことはありません。全ての動作でこれと同じ考えで動作することを思うと、気が遠くなりそうでしたが、本物に一歩近づく感じもして、とてもうれしくなりました。更に「由静到動」と言う言葉も教わり「静」と「動」の関係も教わりましたが、私の頭では、これは、また今度という感じで、一つづつ身に着けていければと思いました。