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103.まっすぐに立って歩く

 姿勢について、先生は次のようにいわれました。「力を入れれば、ゆがんでいても倒れないが、それはどこかで無理をしている。いずれ、そこを痛めることになる。まっすぐ立ったときに、どこで支えているか。頭でささえているか、腰で支えているか。自分の立ち方をよく観察するように。上体を45度傾けると、腰には体重の5倍の力が必要になる。腰やひざの痛みは、頭の位置のズレに原因がある。

   

 この後、次のような動作を練習しました。

 まっすぐ立って、右足に重心を乗せ、左足を持ち上げてみる。このとき、足の重さを感じるように意識して持ち上げる。足の重さを感じたら次の練習をする。

  両手の手のひらが上を向くようにして親指をあごの下につける。他の手は揃えて首の後ろにつける。指に力を入れてあごを持ち上げるようにする。

  この状態で右足に重心を乗せ、左足を持ち上げてみる。左足の重さは、先ほどの動作で感じた重さと比べてどのように違うだろうか。軽く感じれば正しい姿勢が取れたことになるとのことでした。私は、頭をまっすぐにするということは、今まで自分が思っていたことと大きく違うことを知りました。

  

 先生はさらに続けて次のように言われました。

  「頭をまっすぐにすることと共に、顔を向ける方向も大切である。いつ顔をどの方向に向けるか。これは体の安定を保つ上でとても大切である。まず、両足をついている状態では、体は安定を保てるので、その動作で行っている目的の方向に顔を向ける。片足で立っているときは、軸足の向いている方向に顔を向けると体の安定を保つことができる。」

  

 私たちは、まず、ダオジェンゴンの動作でこれを体験しました。左手を体の前に立て、右手が下の丹田にある状態、両足はついています。右手を体の斜め後ろの方向へ広げていきます。この時は両足をついているので、顔は右手の動く方向に向けていきます。次に右手を折り曲げ、左足を浮かす時、片足で立つことになるので、顔は右足のつま先の向いている方向へ向けます。左足が後ろに下がって地面についたら、両足がついたので、右手の出ていく方向に顔を向けます。

 

 私たちはこのほか、ローシアオブの動作においても同様の練習をしました。片足になる前は手の動きに合わせて顔をそちらに向け、片足になる直前から軸足のつま先の向いている方法に顔を向けるようにしました。こうすると、片足で立っている間も体の安定を保つことができることを体験しました。