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105.「人の三宝」

 先生は、「人の三宝」についてお話をしてくれました。

  「人の三宝」とは、人の身体をつくっている3つの大切なもの、「精」・「気」・「神」を言います。

  「精」とは腎の本(もと)と言われ、目に見えるもの、身体の栄養物質やホルモン系を指します。「気」は神の主と言われ、身体のエネルギーや身体を温めるもの、臓腑機能や免疫系を指しています。「精」も「気」もエネルギーですが、「精」は実態のあるものを言い、「気」は実態のないものを言います。「神」とは人の精神状態や意識のことで、身体の外側に現れるすべての現象を表現しています。例えるなら、自律神経系のようなものです。 

 

 「精」・「気」・「神」それぞれの関係は、「精」と「気」は身体の内側のものとして、外側に現れている「神」を支えています。したがって“神経を使う”と「精」と「気」を消耗します。「精」と「気」が「神」を支えていると同時に、「神」もまた「精」と「気」を支えているのです。 

 「気」と「精」が満ちていれば「神」が安定し、逆に「気」と「精」が少なくなると「神」の方も弱まり不安定になります。

 このように「精」・「気」・「神」は互いに影響して融合し、切り離すことはできません。 

 私たちは心身ともに安定していると、安心し、自由に行動できます

 

 私たちは、これらのことを頭に入れて、歩く練習をしました。先週教わった「小周天」を思い出しながら、背中を下から上に気を移動させながら息を吸い、体の前を下に気を下ろしながら息を吐く。その動作の中で「安定」を感じようとしましたが、動きがぎこちなく、心は不安定な状態で、とても「人の三宝」を感じられる状況ではありませんでした。これから練習を重ねて、一歩一歩、安定状態を保てるようになりたいと思いました。