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113.収斂、内斂

 私たちは、健康寿命を延ばすために運動をしていますが、その運動は本当に正しいのかと問題を提起されました。負担の大きな運動はダメであるし、骨格が歪んでいると無用の力がかかり、関節がずれるおそれがあります。

 

私たちは、最初に足首の運動をしました。足首を片手で抑えて、他方の手で足先をつかみ回転させる運動や、足首の丸く出っ張った骨を両手で押さえてつま先を動かすなどの運動でした。

 

 次に、胴体の筋肉を使って内臓を鍛える運動をしました。腹部は上に横隔膜があり、下に骨盤底筋があり、中間を腹横筋で包まれた袋で覆われているので、これらの膜や筋肉を動かすことで、この中に納められている臓器の運動をすることができるということでした。

 

横隔膜は肺の下にあり、緩んだ状態では上に膨らむようになり、緊張すると下にさがってきます。肺には筋肉がないので、横隔膜の上下運動によって肺に空気を入れたり出したりしています。横隔膜を動かすためには、胸を膨らませる方法とおなかを膨らませる方法があります。胸は前に膨らませることも後ろに膨らませることもできます。おなかも前に膨らませることも、後ろ(背中)を膨らませることもできます。

 

 骨盤底筋は、ウンチをがまんするときのように肛門を引き締めることで緊張させることができるということでした。

 

 私たちは、胸(胸郭)や、お腹(腹筋)を動かす練習をしました。そして、胸やおなかを左右の片方だけを膨らませたり、縮ませたりする練習をしました。そして、先生は片方だけを縮めると体が回転すると言われ、その練習をしました。この縮めることを「収斂(シュウレン)」または「内斂(ナイレン)」と呼び、片方だけ収斂することで片足に体重を乗せられることを教わりました。そして、このことを意識しながら歩く練習をしました。感覚をつかむことと、体を意識どおりに動かすことが大変難しく、苦労しました。ただ、回転するときの収斂の感覚が少しつかめたように感じましたし浮いた足を前に出すのが、とてもスムーズになったように感じました。