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118.提為腿、落為歩

「体を前に倒すときに背中を丸めてはいけない」と先生は注意し、練功十八法の「腕を広げて腰を曲げる(展臂弯腰)」を例にして、その動作の要点を次のようにお話されました。①体を倒すときは90°までで、前を見たまま、②背中、胸を丸めず、平らなままたおすこと。これらを守らないと腰の負担が大きくなるということでした。

 

更に、練功十八法の「片手で膝を抑え、片手で天を支える(扶膝托掌)」では、①足の幅は肩幅の1.5倍まででそれ以上広く開かないこと、②背中を平らにキープしたまま腰を落として体を起こすこと。この運動はとても難しいので、手の位置を膝より上にしても良いが、背中を平らにすることは守りなさいということでした。

  

先生は、次の字を白板に書かれました。「提為腿(ティ・ウェイ・トイ)、落為歩(ルオ・ウェイ・ブ)」。これは、「足を持ち上げるのは足の技を使うため、足を下ろすのは歩く(移動する)ため」という意味だそうです。特に「足を下ろす」については、上がっている足を動かして下ろすのではなく、上がっている足を支えているもう一方の足を縮めることで上がっている足を地面につけるのだといわれました。これは今までに経験したことのないことでしたので、一歩、歩くのが大変でした。数歩歩くと軸足がふらつくようになりました。

 

更に先生は、これらの動作について3段階の指令を出しました。

  1. 整える(背骨がまっすぐになっていることを確認すること)

  2. 手をはなす(①の状態が力を入れないでもできているようにすること)

  3. 気をおろす(②の状態まで出来たら、気を丹田におろすこと)

 この3つの号令に従い、歩く練習をしました。これと、提為腿、落為歩を合わせて歩くことは、とても、とても苦しい動作でした。これが太極拳での歩くということかと思い、がんばりましたが、最後まではできませんでした。

  

そのあと、簡化24式を通して行いましたが、片足になった時の不安定さと、両足になった時に安心感をたっぷりと体験しました。