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121.丹田はポンプ

 先生は、白板に「刻々留心在腰間」と書かれ、ある会員さんから聞いたと言って、次のような話を紹介されました。その会員さんは良くバス旅行をされるそうですが、バスに長い時間乗っていると、いつも腰が痛くなって、足がむくんでいたそうです。前回のバス旅行では、先生に教わったように、丹田に力を入れたり緩めたりして、腰に気を配っていたそうです。そうすると、腰は痛くなく、足がむくむこともなかったそうです。このお話の後、先生は、「流水不腐、戸枢不螻」と書かれ、「流れる水は腐らず、ドアの軸は虫が食わない」という意味だと説明してくれました。そして、バス旅行をした会員さんは、丹田に意識を留め、腰椎の間隔を広めるように心掛けたことで、腰の痛みや、足のむくみが起こらなかったのだろうと言われました。そして、丹田はポンプだと言われました。

  

「丹田は、集まったエネルギーを押し出すポンプであり、全身の全ての細胞に水を届ける。経路が詰まっていては届けられない。つまり、健康とは、水があること、ポンプがあること、管が詰まっていないことである。」といわれました。

 

 私は、血液系をイメージして良く理解できました。血液系では、健全な血液があり、健全な血管があり、健康なポンプすなわち心臓があれば、何の心配もありません。身体全体が血液系と同じ理屈で機能しており、そのポンプが丹田なのだと理解しました。私自身は血管が詰まり気味なので、今後は、丹田に意識を留めるようにしていこうと思いました。

  

 丹田の鍛え方として、一歩毎に「肚をすえ、肚を決めて」動くことも教わっていましたので、今後の練習において、骨格の中心である腰椎という軸を定めることを当面の課題としていこうと、「遅ればせながら」肚を決めました。全身に気を配る上で、中心と末端の間の関所は筋肉と関節であるということも教わりました。すべての動作において関節を開くことが大切であることも教わりました。残っているのは、常にそのことを意識して、継続して実行することだけです。