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126.半馬歩(バン・マーブ)

今日は、「半馬歩(バン・マーブ)」ということを教わりました。馬歩は馬の背に乗った時のように両足を開いて、両足のつま先が前を向いている状態をいい、これまでの動作の中では「雲手(ユンショウ)」の時の足の形であると思っています。「半馬歩」は、「半」という字がつくように「馬歩」の半分というふうに片足は馬歩で、もう一方は踵がつき、つま先が開いた状態の時をいうようです。私は次のように理解しました。

 

右足を軸足としてつま先を南東の方向にして膝を緩めて立ったあと、左足を東の方向に出して踵を着く。両股関節を緩めて、つま先を東方向に下ろしてゆく。つま先が着いた時は両膝とも曲がっていて、体重は右足6割、左足4割ほどになる。この足の状態を半馬歩と言い、更に右ひざを伸ばした状態が弓歩になる。

 

 例えば、楼膝拗歩(ロウシーアオブー)で前に進む時、右足に乗って左足を前に出し踵を地面に着いた状態の時、これが半馬歩の始まりだと思いました。楼膝拗歩の動作を更に進めると、左足の踵を地面についた後、体重を左足にかけてゆきながら、左手で相手を左に払いながら、右手で相手を押しています。この時、右足に60%、左足に40%の体重をかけていきます。右足が伸びて、左足70%、右足30%ほどの時、弓歩になっています。つまり、半馬歩で前に力をかけている間が、相手と直接、戦っている時間であり、弓歩になった時は、当面の戦いは、すでに終わっているのです。弓歩になった後も両手は動いていますが、これは攻撃の効力を高めると共に、自分の体を守るためのフォロースルーなのではないかと私は思いました。

  

 野球のバッターで言えば、スイングをしてバットにボールを当て、ボールを弾き飛ばすまでのわずかな瞬間が攻撃であり、バットを振り抜くことは、自分の身体に衝撃を残さないためのフォロースルーではないかと思ったのです。

  

私は今まで、一つの動作の終わる時に相手に打撃を与えているのだと思っていましたが、とんでもない間違いをしていたのだと思いました。これまで、先生は片足になって、反対の足を出した時に、その足の踵にしっかりと力を入れるように教えてくれていました。それは、その後の攻撃の起点となるからなのだと分かりました。今後は、半馬歩を常に意識して練習しようと思った講義でした。