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127.体の中の争い

太極拳は全身を使う運動であり、体全体が同じ方向に動くべきですが、身体の一部は左に動こうとし、別の一部は右に動こうとすることのように、部分ごとに違う方向への動きをしてしまうことが多いです。このようなとき、体の中では争いを起こしてしまうことになります。争いが起きると体の動きはスムーズではなくなり、また、体を痛めてしまう原因にもなります。体の中で争いを起こさないためには、どうすることが大切かを先生は教えてくれました。

  

私たちは、48式太極拳の中盤の「独立撑掌(ドゥリ・チャンザン)」から「右単鞭(ヨウ・ダンビェン)」に移るところで、身体と右手、左手の動かし方を練習しました。体は左へ回ろうとし、左手は右に動こうとしたときに、どうすればよいかを考えてみました。窮屈な動きになってしまいました。先生は、どちらかが、他方が動き出すのを待つことが大切と言われました。体が左に回り始めるまで左手は動きださないのです。体が左に動き始めてから、少し遅れて左手を動かし始めると、スムーズな動きにすることができました。  

 

体を左に回転させはじめて、右手を下ろしはじめ、その間、動かさなかった左手が右へ動きはじめるという、わずかな時間差を持たせることで、スムーズな動きとなることを体験しました。 

 

 いろいろな動作について、これまで何気なく動かしていた体の部分に、わずかな時間差の順番をつけて動かし始めるということに、強い興味をもちました。

 

これから少しずつ、動き始めに意識をもって動作する練習をしたいと思いました。