· 

27.三直・三平

 太極拳をするときの姿勢のお話です。まず身体は垂直でなければならない、身体の重心線は地球の中心に真っ直ぐにつながっていなければならない、とよく言われます。

 これを、もう少し細かく分けて見てみると、頭直(頭が垂直になっていること)、身直(身体:胴体が垂直になっていること)、小腿直(小腿とは膝から下のことで、この部分が垂直であること)であることが大切であると言われています。ただし、膝から下の部分は、膝を曲げるとどうしても膝が踵よりも前に出てしまうので、膝がつま先の先端までに治まっている間は小腿直とみなすとのことでした。次に、このように身体の各部分が垂直になっていると、両目平(両目が平になる)、両肩平(両肩が平になる)、両胯平(股関節がたいらになる)を実現できるということです。

 さらに、3つの直と3つの平を実現できれば、軸が明確になることから身体の回転がスムーズにできるということです。

 

 個々に取り上げれば比較的できそうに思うのですが、身体全体を、しかも太極拳の動作の中でこの状態を維持することはとても難しいことです。後ろに下がる倒捲肱(ダオジュェンゴン)は、両手を広げながら体を回転させるので、3つの直と3つの平を意識する練習にはとても良い技のようです。なお、回転する時には、常に両手の間に身体の向きを保つことが特に「平」を保つ上で重要な事だと教えられました。