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28.入地三尺

 私たちは地上に立っています。とても大きな地球という球体の表面つまり地面の上に立っています。立っているときには、身体の重さで地球に押し付けているわけですから、地面からの反発力を感じるはずですが、これまでその反発力を感じたことはありません。

 高い所から飛び降りた時などは、地面の固さを感じますが、これが反発力なのでしょう。しかし静止している状態で反発力を感じることはほとんどありません。それだけ、無関心になっているのかもしれません。この反発力を身体の中心で受け止めることが真っ直ぐに立つということだと思います。

 次に、足を少し地中に入れた状態を想像してみましょう。入地三尺といいますが、これは植物が根をしっかりと張って地中に根を伸ばしていく意味ですので、立った時にしっかりと根を張った植物を状態を想像してみましょう。そうすると、膝や腰の関節がどこにあるかが良く分かると言われました。早速、想像してみましたが、なかなか足が地中に入り根を張ったった状況に到達しません。今後日々練習してみたいと思いますし、直物のように根を張ったときの感覚というものを体験してみたいと思います。そして、身体の中心は地球の中心(地心)まで繋がっていることまで、感じられるようになりたいものです。

 一方、上を見ると青空があります。その上には宇宙があります。宇宙のさらに先には外宇宙があると言われています。私たちはこのような壮大な空間の中にいるのです。そして、これらの環境と調和して伸び伸びとスムーズに動くことが大切です、

 

 ダオジェンゴンで身体の前から次第に身体の横に下していく手は、下がりきると次第に上がっていきます。この手が一番下に来たところが「下の極点」になります。手が極点にきたということを意識するようにします。極点に達した時に一瞬動作を静止するようにすると、極点を掴む練習になります。同じことが攬雀尾(ランチュエウェイ)のリューの動作でも現れます。極点は円の中の1つの点です。円上の全ての点は極点ですが、地球上に立つ私たちにとっては、動きの方向が下から上へと変化するという意味で、上記の動作点を地球の南極点のように捉えて「下の極点」とします。