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35.気斂入骨(チィリェンルク)

気斂入骨(チィリェンルク)という言葉があります。「気は収まって骨に入る」と言う意味だそうです。「気」とは何でしょうか。これは誰にも分からないとされていますが、私のような未熟者でも何か感じるものはあります。気功の練習をしていて、合わせた手の間がもやもやするとか、手が暖かくなるとか感じます。私はこれが「気」だと思っています。

筋肉の緊張を解いて力を抜くと、骨の間が空いてくる。そこに気が入る。身体のエネルギーが骨に入る。という意味だそうです。

低い姿勢から、高い姿勢になるとき、頭から上がるようにすることが大切です。下から押し上げて頭を高くしようとすると、途中の骨は圧力で間隔がつぶされてしまいます。骨の間に気が入る隙間がなくなってしまいます。上がるときは上から、下がるときは下から動かすことが大切だと教わりました。

 たとえ話として、先生は「錘の付いた糸を考えてごらんなさい。」と言われました。糸の先を持って錘を下げると糸はピンと張って真っ直ぐ下に伸びます。この状態から、糸の先端を上にあげようとするときは、糸の先端を持って引き上げることです。糸はピンと張ったままを保ちます。ところが、錘を持って下から上に押し上げようとしたとします。糸が太くて硬ければ糸の先端は上に動くかもしれませんが、通常は、糸はたるんでしまいます。(この糸が脊椎だったとすれば、脊椎の間隔は押しつぶされてしまいます。)

 

 上下の動きをするときは、上がるときは上から動き、下がるときは下から動くことが、気と骨に入れる基本であること、更に、このような動作を通して自分の身体がどのようになっているかを掴めるようになることが大切であると教わりました。