腎臓は全身の全ての臓器と情報交換をしており、体液の濃度などをコントロールしている臓器で、ただ、おしっこを作っているだけの臓器ではありません。
腎臓は、次のように活動しています。
①腎動脈から入ってきた血液をろ過して、血球とタンパク質だけを通過させる。
②ろ過して取り出したものは「原尿」と呼ばれ、この中には、老廃物とグルコ
ースが含まれる。
③腎臓は、再吸収という作用で原尿の中からグルコースを元の血流に戻す。
④更に、体液の濃度を感知して、水分を抜き取ったり、補充したりする。
⑤腎臓を通過した血液、タンパク質、グルコース、追加された水分は腎静脈か
ら全身に送られる。
⑥ろ過されて取り出された老廃物や抜き取られた水分は「尿」として膀胱に送
られる。
東洋医学では心は「火」、腎は「水」とたとえられています。心は燃えなければなりませんが燃えすぎてもいけません。燃えすぎるときは水をかけてやることが大切です。腎は冷めていなければなりませんが、冷たくなりすぎてもいけません。温めてやることが大切です。人間の身体では、心の火をもって腎を温め、腎の水をもって心を冷やす循環がおこなわれることが望ましいとされています。(この循環を「小周天」と言うそうです。)
腎臓のまわりを手でさするとか、じっと手をあてて温めるとか、動かす、ひねるなどの運動をすることで、腎臓を温めるよう気を付けることが大切です。
太極拳では身体をひねる動作が随所に出てきますので、腎臓を温めるうえでも有効な行動と言えるのではないでしょうか。
腎臓に対応するツボとして「腎愈(ジンユ)」というツボがあります。太極拳の動作において、身体を回転させたり、片足で立とうとするとき、この腎愈を後ろに引っ張って維持するように心がけると落ち着いた動作ができるようになると教わりました。