· 

43.抱球(パオチュウ)②

 太極拳の中では、「懐抱魚頭、手棒魚尾(ファイ・パオ・ユー・トウ、ショウ・パン・ユー・ウェイ)」と言うように、片方の手で魚の頭を抱き、もう一方の手で魚のシッポを支える動作が数多く出てきます。この魚の頭を抱えるときに、魚の形に添って体を丸くし、身体と魚の間に隙間ができないようにしなければなりません。

このためには、鎖骨を動かして、肩が少し前に出るようにすることが大切です。そして、どのような動作においても、両手は身体の前になり、身体の前にある魚やボールの中心が、身体の中心にあるようにしなければなりません。このためには、鎖骨が柔らかく動くことが大切です。

 

鎖骨を動かすための次のような運動を教わりました。

練功18法の「双手伸展(シュアン・ショウ・シェン・ズァン)」で両手を上にあげる運動です。これを次の2つの方法でやってみました。

 

第1の方法:鎖骨を動かさないようにして、肘が肩の高 

      さくらいにくるまで、両手を挙げていき、鎖

      骨の先端が動き始めたら、一気に鎖骨を立て

      るようにして、腕をのばします。

第2の方法:最初から鎖骨を立てるようにして両手を挙げ

      ていき、最後までそれを続けます。

 

 行ってみると違いがはっきりと分かりました。第1の方法では、腕は軽く、高くあがり、上腕部は耳に着きました。第2の方法では、腕を上げるのが苦しく力づくで腕を上げている感じでした。上腕部は耳から離れていました。私たちは正しい骨の使い方をしなければ、無駄な力を使い、その上身体をこわすことにもなることを知りました。

 

 身体の前でボールを作る時、両手で丸いボールを作っても、肩と肩の間が直線になっていては、身体と両手で作るボールは、下が平らなドームのようになります。鎖骨を動かして両端(肩の部分)を前に出すようにすれば、身体の部分も円の一部を描くことが出来るようになり、両手を合わせてきれいな円をつくることができることを教わりました。この鎖骨を前方に動かす動作は簡単なようで肩に力が入ってなかなかできませんでした。目下練習中です。

 

 これが出来るようになれば、きれいで大きなボールを作ることができ、動きも大きくなるものと期待しています。

 

抱球(パオチュウ)①はこちらをご参照ください